このご時世、先が見えづらく不安が募る日々で、中には自粛生活によって精神が不安定になる人もいると思うので私なりに不安のメカニズムについてお伝えできればと思います。
不安のメカニズムを知ることで不安になっている自分を客観視できるようになり、不安な心に対して正しい心の在り方を知ることができます。
不安は心の疲労から始まります。
無理した生き方、自分の意思に反した生き方、等身大以上の自分を振る舞い続けてきた歪みが心の疲労となり不安感を生み出します。
不安をただの一時的な不安感としてやり過ごす人は比較的大きな問題になりませんが、慢性的な不安感に対して「恐怖心」を覚え始めると一気に事情が変わります。
不安感→不安感に対する恐怖心→恐怖心に対する不安感 という負のループに陥ります。この負のループのカラクリは、恐怖心や不安感に対して対処しようとすることであり自分の努力でその気持ちを払拭しようともがくことが最大の原因となっております。
人の心理は複雑で、注意が向くほど身体感覚の異変は強まり、制御できなくなっていきます。
感覚とは、それを意識すればするほど敏感になり、強まる性質をもつものとなります。
注意が自己に向いていると症状はより悪化の一途をたどります。唯一の関心事は自分がどうであるかでありその他の事はかやの外であることがほとんどです。
不安を排除しようと努力する→更に不安が強まる→排除しようと一層努力する→もっと暴れ回るという謎のループにはまりこんでしまい、永久に抜け出せない迷路の中をさまよっているような感覚です。
不安・恐怖をきっかけとして、もがけばもがくほど悪化するマイナスのサイクルに陥ってしまった状態であり、不安と恐怖からはじまった負のループです。
以上の負のループから抜け出すコロンブスの卵は以下です。
「不安症を治そうと思うことをやめればいい」
パニックから逃れようと私たちが無意識に取る「症状の排除、制御、回避」という対応が真の敵であり、苦痛から逃れようと懸命にもがくことが問題をどんどんと複雑化させています。
少し飛躍しますが、以下がこれまでの問題を解決する助けとなる実践的な行動です。
感情はコントロールできないことを骨身に知る。決して感情は人のコントロール下にない。コントロールできないことに関心を持たない。気にしない。
「症状を受け入れてしまい、症状があっていもいいから何かする」つまり、「受容」と「行動」。
「変えられないもの(=思考と感情)には意識をフォーカスせず、変えられるもの(=行動)に意識を集中することで不安症という出口のない迷路を抜け出す」
これが、不安症回復において最も重視されるアプローチ、「行動」です。頭は悩みで支配されていても目の前のことに取り組むそしてそれを続けていくことで結果的に頭のモヤモヤが晴れていくことを実感するはずです。
行動ベースで健康な生活をすれば、勝手に心も健康になっていく。